無内定無職のタワゴト

140文字以上になるぼんやりとしたこと

なぜ歌いだすのだろうか

ミュージカルを観に行ったことがある。

高校生のときに2度程観に行った。多くの人が聞いたことがあるであろう劇場で、CMでみたことあるであろう劇団の演目を観た。高校の行事で観劇させられたのだ。
ストーリーも台詞も歌詞も全く理解できなかったわけではない。
ただ、自分の肌には合わないと思った。

開幕後説明のような台詞の後、突如歌い出す。
わけがわからない。なぜ歌う必要があるのだろうか。
歌を楽しむものなのだと割りきるにしても、歌が台詞じみすぎていて楽しむことができない。
ストーリーを楽しむにしても、歌のせいかストーリーに深みを感じられない。
ミュージカルを労力をかけずに楽しむにはどうしたらよいのだろうか。自分にはさっぱり分からなかった。
流行していたミュージカル映画は観に行ったことがない。どうせ楽しめない。
話についてはいけないが、主題歌だけはきいた。いい歌だとは感じなかった。

何故世間の人達はミュージカルを楽しめるのだろうか、どこをどう楽しんでいるのだろうか、自分には分からない。

自分は、世間の人々の感覚を理解できないことに一抹の寂しさを感じるとともに、その対象をやや不愉快に感じるようになった。


きっと若者の文化についてとやかく言う人も同じようなことを感じていたのではないだろうか。
おそらく人は、自分が理解できない物事を楽しんでいる人々をみて、それを理解できないことに寂しさを感じたとき、理解できない自分ではなく理解できない対象を嫌悪するのだ。

理解できない自分はおかしくないし、理解する為に何かをしてもどうせ無駄になる。だからおかしいのは理解できない対象。そして自分はそれを理解する必要はなく嫌悪してよい。

このように無意識に考えてしまっているとすると、理解できない対象を嫌悪するのは当然なのではないかと思えてきた。

根拠もなにもない推測ではあるが、理解できないミュージカルをやや嫌悪する自分のことを少し許せる気がした。