選択肢のないプロポーズ
なんだかよくわからないが、フラッシュモブでプロポーズをするという企画を行っている会社があるらしい。
フラッシュモブというのは人々が申し合わせて雑踏の中の歩行者として通りすがりを装って公共の場所に集まり突然パフォーマンスを行い、周囲の関心を引き、目的を達成したら解散する行為のことを指すようだ。Youtubeにいくつかあがっているのを見てみたが、やっている人は楽しいんだろうなという感じである。
このフラッシュモブでプロポーズするというのはいったいなんなのだろうか。
多数の人の注目を浴びるというリスクを冒すことで相手にプロポーズを断られにくくなると考えているのだろうか、こんなに人に協力してもらってプロポーズできるという人間性をアピールしているのだろうか、あまりない状況をつくりだし一生の思い出にしようとしているのだろうか、プロポーズのために努力したということを示したいのだろうか。
自分はフラッシュモブに出くわしたこともなければフラッシュモブでプロポーズしたこともない。したいとも思わないしされたくもない。仲がいい人にやりたいから手伝ってくれと言われればきっと手伝うだろう。それはなんかおもしろそうだからである。自分が当事者でなければ、なんか面白そうなことがあれば協力してもいいなと思うのである。
やるひとはなんだかおもしろそうと思ったり楽しいと思ったり金銭的報酬が無ければやらない。やるかやらないかの選択肢が用意されているのでフラッシュモブをやる人のことはどうでもいい。しかし、そのプロポーズをされる側の相手はどうだろうか、プロポーズは基本的に事前の予告なく行うものであるため、プロポーズをされるかされないかを選ぶことが出来ないのである。唐突に周囲の注目を浴び、プロポーズを受けるかうけないかの選択を強いられることを受け入れられる人はそれほど多くないのではないかと思う。むしろそれが原因で断られる可能性もなくはない。
やる側がいいアイディアだとか楽しそうだと思ったことを実行するときはやられる側がどう人間なのか十分に配慮しなくてはならない。
自分はどうしてそんなことをしようと思うのかさっぱり理解できない。